Otto ga mita © 1964 Kadokawa Pictures

国際交流基金マドリード日本文化センターはフィルモテカ・エスパニョーラとの共催で、増村保造監督映画作品シリーズを上映いたします。今回の作品シリーズでは文芸作品を原作とした同監督の代表作6作品が上映されます。
また、このシリーズでは、25の増村監督作品に出演した大女優、若尾文子の姿もお楽しみいただけます。
本映画シリーズ上映は、日本スペイン外交関係樹立150周年の認定事業として登録されています。
 
上映日程:2018年10月2日から11日まで
会場:Cine Doré (C/ Santa Isabel, 3. 28012 Madrid)
入場料:3ユーロ (学生料金2ユーロ)
 
上演作品
 
暖流(1957年、94分、カラー)
102日(火)2000-Sala 1
原作:岸田國士
出演:根上淳、左幸子、野添ひとみ、他
監督作品3本目となる人気長編小説を原作とした作品。
病院の建てなおしを依頼された日疋祐三は、或る看護婦の自殺事件で看護婦の石渡ぎんと知り合い、彼女から腐敗の進んだ病院内の情報を手に入れることになった。やがて日疋はぎんから愛情を寄せられるようになったが、彼は院長の娘啓子に憧れに近いものを抱いていた…。
 
刺青 1966年、86分、カラー)
103日(水)17:30-Sala 1
東洋映画の批評家及び専門家であるヘスス・パラシオス氏によるトークと併せて上映されます。
原作:谷崎潤一郎
出演:若尾文子、長谷川明男、山本学、他
脚本家として新藤兼人氏を迎えた作品。
恋人の新助と駆け落ちした質屋の娘お艶は、引き取られた権次夫婦により芸者として売りとばされそうになる。新助が殺し屋に狙われている頃、土蔵に閉じこめられていたお艶は、刺青師清吉に、麻薬をかがされ、気を失い、背一面に巨大な女郎蜘蛛の刺青をほどこされる…。
 
清作の妻(1965年、93分、カラー)
104日(木) 19:30-Sala 1
原作:吉田絃二郎
出演:若尾文子、田村高廣、他
脚本:新藤兼人
お兼は病身の父を抱えた一家の生計を支えるため、六十を越えた老人に囲われた。その老人も他界し、母と共に村に帰ったお兼は、村一番の模範青年清作と半狂乱になるほど愛しあうようになる…。
 
兵隊やくざ (1965年、103分、白黒)
10
5日(金)20:00-Sala 2
原作:有馬頼義
出演:     勝新太郎、田村高廣、滝瑛子、淡路恵子
本能のままに生きる暴れ者・大宮初年兵と、大学出でインテリ上官の有田上等兵。見た目も性格も正反対の二人の階級を超えた満州を舞台とした友情の物語。友情物語と言っても、リンチや暴力シーンが生々しく描写された作品となっている。
 
「女の小箱」より夫が見た (1964年、92分、カラー)
107日(日)20:30- Sala 1
原作:黒岩重吾
出演:若尾文子、川崎敬三、田宮二郎、岸田今日子、他
敷島化工の株式課長、川代誠造は仕事に追われ、家をあける事が多くなった。妻の那美子はそんな夫との生活に耐えられず、友人に誘われるまま、バー「2・3」で遊ぶようになる。そこから生まれた様々な思惑を秘めた人間関係に、殺人事件まで発生し、事態はさらに複雑になっていく…。
 
赤い天使(1966年、95分、白黒)
1011日(木)19:30- Sala 1
原作:有馬頼義
出演:若尾文子、芦田伸介、川津祐介
仕事で精神をすりへらす生活の中でモルヒネ中毒となった軍医、岡部と従軍看護婦、西さくらの愛の物語。有馬頼義の原作に現れる情熱を増村保造が様々な形で表現する。
 
増村保造(ますむらやすぞう) (1924-1986)
山梨県甲府市出身。旧制甲府中学から旧制第一高等学校を経て東京大学法学部を卒業。
1947年、大映に助監督として入社。東京大学文学部哲学科に再入学し、1949年に卒業。1952年、イタリア留学、フェデリコ・フェリーニやルキノ・ヴィスコンティらに学ぶ。帰国後、1955年から溝口健二や市川崑の助監督として参加。1957年、『くちづけ』で監督デビュー。監督第2作『青空娘』より若尾文子とタッグを組み、『妻は告白する』『清作の妻』『「女の小箱」より 夫が見た』『赤い天使』『卍』『刺青』など60近くもの重要な作品群を制作する。